ここは明治用水の、取水施設そばに通された水路。天然アユが遡上するための魚道が設けられています。矢作川の河口からはおよそ35キロ。海で育った稚鮎が、自分のふるさとに帰るための大切な通過ポイントなのです。
(地元の漁業関係者)
「本来は、そこの階段状になっているところが“魚道”。もう全然水がないんで、(アユが)上れない状態。『ことしは(アユ釣りが)楽しみだね』と言っていたのに、こんな状態になってしまってショック」
遡上は例年4月上旬から始まり、ゴールデンウィークがピーク、6月いっぱいまでは、まとまった遡上が見られるはずでした。
地元漁協によりますと、ことしはこれまで60万匹が遡上したと見られ、多い時には年間100万匹が遡上していくと言いますが、天然のアユが魚道を通れない状態が続けば、ことしの矢作川のアユ釣りはどうなるのか?
(地元の漁業関係者)
「釣り師の一人としてもショックだし、もうこれでことしのアユ釣りは終わってしまったのでは」
地元漁協によりますと、5月11日には、放流した養殖アユの釣りは解禁となりましたが、このまま魚道の水位が戻らなければ、清流・矢作川に、ことしは天然アユが、見当たらないという異常事態になるかもしれません。
コメントを書く